80年、夏目雅子を生んだカネボウ化粧品のキャンペーンガールに選ばれ、その後は「ウルトラマン80」(星涼子&ユリアン役)や「科学戦隊ダイナマン」(立花レイ役)などの特撮物で活躍した萩原佐代子さん。コアなファンから熱烈支持された。今どうしているのか。
「この後、ブロマイドの撮影があるんです」
浅草駅から徒歩10分のブロマイドの老舗、マルベル堂の喫茶室で会った萩原さん、こういって微笑した。ショートヘアにクリッとした瞳、スレンダーボディーは今も健在だ。
「いえいえ、上は21歳から3人の子供がいて、昔は地球の平和を守ってましたけど、今は家庭を守るのに精いっぱいのフツーの主婦です。ただ、特撮物には根強いファンの方がいらして、関連のイベントに呼んでいただくことがけっこう多くて」
女優としても声がかかり、一昨年はAKB48の片山陽加主演の映画「地球防衛ガールズP9」に謎の女役で、また、去年はCSキッズステーションの「それいけ!電エース」に「電A子」役で出演した。
「トークショーやサイン会に行くでしょ。と、みなさんが"レイちゃ~ん!"とか"ユリアン~!"なんて叫んでくださるんです。うれしいやら恥ずかしいやらで」
08年にDVD「レジェンド・オブ・萩原佐代子 戦士の休息」、11年にはDVD―BOOK「永遠のヒロイン!萩原佐代子&牧野美千子」が発売された。
さて、萩原さんは15歳でティーンズ雑誌のモデルでデビュー。80年、カネボウレディ・サマーキャンペーンガールに選ばれて注目された。
「春のキャンペーンガールが松原千明さんで、スタイル抜群だったでしょ。自分自身、モデルでは限界を感じてたとき、特撮物のお仕事が舞い込んできたんです」
「ウルトラマン80」でたちまちブレーク。83年の「科学戦隊ダイナマン」では純白のハイソックス姿のハイキックがファンの目をクギ付けにした。
「実はワタシ、かなりの運動オンチのため、撮影中のケガで病院に担ぎ込まれたこともありました」
日大経済学部入学後も活動していたが、卒業後、25歳で結婚して引退。しかし、2年で破綻した。
「世界で一番好きだった人が、世界で一番嫌いになるってことがあるんですねえ」
離婚してからは、昼は生命保険の外交員、夜はスナックで稼いで子供たちを支えた。
「正直、仕事はつらかったです。でも、その分、主人と巡り合えた今はすっごく幸せです」
「今の主人」とは「科学戦隊ダイナマン」で共演した時田優さん。
「ダイナイエロー・南郷耕作役でした。あるイベントに一緒に出たのがきっかけになって……フフフ。運命の糸って2本目があるんですね」
時田さんは現在、外資系生保、ジブラルタ生命の営業マンだ。
「ものすごく営業力があるみたい。生活費の苦労がない生活って、ホント、楽チン」
長男(21)は介護士、アメリカはオレゴン州に語学留学中の長女(19)、中2の次女(13)がいる。
「子供に手がかからなくなり、副業的に結婚相談所のマッチングのお手伝いや気学カウンセラーの資格を生かして運勢占いもしてます。基本的に働くのが好きなんですよ」
飯能市内に夫、次女と暮らす。
(日刊ゲンダイ2013年2月1日掲載)