■特番編成が続く中でブレイクしかけの芸人が お正月気分もすっかり抜けてしまって、日本全国絶賛通常営業中ですが、各局のテレビ番組はまだまだ特番体制が続いてるようです。たぶんこのまま、春改編まで行くんでしょうね。例外的に「Hey!Hey!Hey!」の後番組として1月28日からスタートする、今田耕司×山下智久の「ジェネレーション天国」には、大いに期待したいところですが。 元AKB48・前田敦子のモノマネで強烈なインパクトを残したキンタロー。を2013年のブレイク候補と考えていますが、その後も人気は高まる一方のようです。ただ、その一方で「昨年ブレイクのスギちゃんはこれで、お役交代じゃないか」という声もささやかれています。 しかし、スギちゃんはここで終ってしまうような芸人なんでしょうか。そんな根も葉もない噂に、敢然と反旗を翻そうというのが、今回のテーマです。■終わりそうで終わらない「一発屋」たち 1月14日(月)の「笑っていいとも!」では、スギちゃんと一緒に小島よしおが登場。コラボ芸で客席を沸かせてました。すぐに消えると言われ続けてきた小島が、今も変わらない芸風で受けを取っているというのは、同事務所のスギちゃんにとってもかなり心強いのでは。 小島よしおが凄いのは、落ち込んでるところを客前で見せないってところですね。例えスベったとしても、全く態度を変えずに「そんなの関係ねぇ」とうそぶいてしまう。そうすると観客の方もつい笑ってしまう。それが彼ならではの「演出」であるように見受けられます。 ただ、これと同じことをスギちゃんがやっても、うまく行くとは限りません。芸人として息の長い活躍を見せるには、当人の個性を巧みに膨らませて、バラエティなどで発揮していく必要があります。■いそうでいない隙間枠「人の良い芸人」 じゃあスギちゃんの個性って何でしょうか? 私は「ワイルドになろうとしてもワイルドになれない人の良さ」だと推察します。過去に前説をやっていた「Aスタジオ」に出演した際、自分の出来に納得できず、収録後に号泣する姿を見ると、「優しい気持ちの人なんだな」と、こちらまで優しい気持ちになってしまいます。 ブレイクから一年近く経って、ひと通りのバラエティにゲスト出演した後は、トーク力を必要とする仕事が増えてくるでしょう。歴戦のツワモノたちの中へノープランで混じるほど危険なことはありません。そのためにも自身のキャラを見定めておく必要があります。 これからも新ネタを作っていくことはもちろんですが、むしろキャラを際立たせるトークのエピソードを増やしていくべきでしょう。使い回しが許されるのは3回までです(笑)。■「R-1ぐらんぷり」でぜひとも名勝負を! 昨年「R-1ぐらんぷり」準優勝で一躍注目を集めたスギちゃんですが、今年も予選から参加し、現段階で順調に3回戦まで進出を果たしています。こうなると是非見てみたいのが、2013年ブレイク候補最有力のキンタロー。との直接対決でしょう。 最終決戦で両者とも渾身のネタを披露するとなれば、これはどっちが勝つにしろR-1史上に残る名勝負になるでしょう。スギちゃんとっては、これが第二のターニングポイントになるはず。ネタバトルで完全燃焼することができれば、気持ちを新たにして次の段階に進めるでしょうから。 「R-1ぐらんぷり」は2月12日午後7時から、フジテレビ、関西テレビ系列で生放送されます。ピン芸人の人生を変えてしまう、ある意味、非常に怖ろしい大会をぜひともリアルタイムで目撃してください。【お笑い・バラエティ番組ガイド:広川 峯啓】