日本の大みそかの風物詩といえば『NHK紅白歌合戦』。今年もそのテーマ・司会者・応援隊の発表が終わり、後は出場歌手の発表を待つのみ。小林幸子の"お家騒動"など、出場歌手選考の部分に影響があるのでは?と思われる事件が"勃発"している。いろいろな意味で、例年以上に誰が選ばれるか、に注目が集まっており、一部メディアなどではすでに出場者決定や内定報道が飛び交っている。そこでORICON STYLEでは、今年の『第63回NHK紅白歌合戦』を取り仕切る、NHKの原田秀樹チーフプロデューサーに独占インタビューを敢行。今年の紅白はどうなる?
――すでに一部メディアでは、出場歌手決定、内定が連発されてますが。
【原田】 私はひと言も何も言っていません(笑)。よくよく考えると生放送の歌番組には予告の映像もないので、これだけ皆さんに関心を持っていただいているのはありがたいことですが。でも発表の当日を以て公表したものが、最終決定です(笑)。
【原田】 私はひと言も何も言っていません(笑)。よくよく考えると生放送の歌番組には予告の映像もないので、これだけ皆さんに関心を持っていただいているのはありがたいことですが。でも発表の当日を以て公表したものが、最終決定です(笑)。
――1年の締めくくりとして、毎年注目が集まる『紅白歌合戦』ですが、今年のテーマは「歌で 会いたい。」に決定しました。
【原田】 昨年は、東日本大震災など本当に色々なことがあったので「あしたを歌おう。」というテーマで、新年に良いことがありますようにとメッセージを込めました。その後の1年間を振り返ると、日本中がとても頑張ったと思います。なので最後の1日は、新しい人や新しい歌、さらには新しい自分に出会えるような場を作りたいと思って、今年は「歌で 会いたい。」に決めました。そんな気持ちで新しい1年を迎えられたら、また未来への明るい希望が見えてくるのではないかと。
【原田】 昨年は、東日本大震災など本当に色々なことがあったので「あしたを歌おう。」というテーマで、新年に良いことがありますようにとメッセージを込めました。その後の1年間を振り返ると、日本中がとても頑張ったと思います。なので最後の1日は、新しい人や新しい歌、さらには新しい自分に出会えるような場を作りたいと思って、今年は「歌で 会いたい。」に決めました。そんな気持ちで新しい1年を迎えられたら、また未来への明るい希望が見えてくるのではないかと。
――今年は紅白常連組の"お家騒動"などもあり、人選や選曲には例年以上に話題が集まっていますが。
【原田】 選考の基準は変わらず「その年の活躍」「世論での支持」「番組の企画・演出との合致」という3点です。まず、「その年の活躍」というのは、それほどキャリアを積んでいなかったとしても、その年の顔といえるような瞬発力のある方には毎年オファーをしています。また「世論での支持」は、幅広い層に支持されているようなアーティストの皆さん。その年に突出しているというよりは、長年に渡って第一線で活躍されてきたキャリアという点で、ご出演いただきたいと思っています。最後の「企画・演出との合致」という部分が、本当は最もこだわりたい点なのですが。まだ一般的にはあまり知られていない楽曲だったり、一部では高く評価されていても広く光が当たっているわけではないアーティストをスタッフの手で探したい。これがきっかけで皆さんに広まることもありますし、その年ならではの個性が打ち出せればいいなと思います。
【原田】 選考の基準は変わらず「その年の活躍」「世論での支持」「番組の企画・演出との合致」という3点です。まず、「その年の活躍」というのは、それほどキャリアを積んでいなかったとしても、その年の顔といえるような瞬発力のある方には毎年オファーをしています。また「世論での支持」は、幅広い層に支持されているようなアーティストの皆さん。その年に突出しているというよりは、長年に渡って第一線で活躍されてきたキャリアという点で、ご出演いただきたいと思っています。最後の「企画・演出との合致」という部分が、本当は最もこだわりたい点なのですが。まだ一般的にはあまり知られていない楽曲だったり、一部では高く評価されていても広く光が当たっているわけではないアーティストをスタッフの手で探したい。これがきっかけで皆さんに広まることもありますし、その年ならではの個性が打ち出せればいいなと思います。
――今年はオリンピックイヤーだったので、ご活躍された選手などの出演も予定されているのでしょうか?
【原田】 ご活躍された選手のなかには、感動的なエピソードをお持ちの方もたくさんいらっしゃいますよね。音楽番組ではありますが、意外な分野の方にも、音楽と結びついた企画のゲストとしてご出演いただきたいですね。
【原田】 ご活躍された選手のなかには、感動的なエピソードをお持ちの方もたくさんいらっしゃいますよね。音楽番組ではありますが、意外な分野の方にも、音楽と結びついた企画のゲストとしてご出演いただきたいですね。
――今年はAKB48やジャニーズのみならず、多くのアイドルグループが音楽市場を賑わせたと思います。その流れを受けて、ポップス枠、演歌枠といった枠の増減に関してはいかがですか?
【原田】 一概にそのジャンルで区切って何枠というのはないですね。NHKは"総合"テレビなので(笑)。たしかに今、再びアイドルブームとして色々なアーティストが活躍されているとは思います。
【原田】 一概にそのジャンルで区切って何枠というのはないですね。NHKは"総合"テレビなので(笑)。たしかに今、再びアイドルブームとして色々なアーティストが活躍されているとは思います。
――原田さんが感じた、今年の音楽業界を象徴するキーワードは?
【原田】 これは音楽に限りませんが……世代を超えるというか、そこに皆が戻りたがっている気がしています。その意味で「クロスオーバー」。80年代、90年代は、その世代ごとのライフスタイルや趣味をどんどんセグメント化していった時代だと思うんです。そのなかで、個人の価値観を提示していたのではないかと。それに比べて現代は、親の世代のものでも、子供の世代のものでも、いいところをフラットに見られるようになっている気がします。上の世代が若者化しているのか、下の世代が大人化しているのか分かりませんが、自分の殻に閉じこもっているのではなく、世代や枠、壁を超えるといったことができる社会を求めているんじゃないかと。誰もセーフティネットをつくってくれない、そのなかで自分と何かしらの「繋がり」を作ろうとしているのではないかとも思います。
【原田】 これは音楽に限りませんが……世代を超えるというか、そこに皆が戻りたがっている気がしています。その意味で「クロスオーバー」。80年代、90年代は、その世代ごとのライフスタイルや趣味をどんどんセグメント化していった時代だと思うんです。そのなかで、個人の価値観を提示していたのではないかと。それに比べて現代は、親の世代のものでも、子供の世代のものでも、いいところをフラットに見られるようになっている気がします。上の世代が若者化しているのか、下の世代が大人化しているのか分かりませんが、自分の殻に閉じこもっているのではなく、世代や枠、壁を超えるといったことができる社会を求めているんじゃないかと。誰もセーフティネットをつくってくれない、そのなかで自分と何かしらの「繋がり」を作ろうとしているのではないかとも思います。
――その「繋がり」という意味でも、『紅白』はまさに大きな役割を担っていますよね。
【原田】 「歌で 会いたい。」というテーマに、出会いというキーワードが入っているのも気に入っています。普段は会えない人と出会えるというか。普段NHKをご覧になってない方にも会いたい、壁を作らず見てください、繋がってくださいという気持ちもあります。また、ご出演いただくアーティストのみなさんにも非常に気合を入れて参加していただいていると思います。たとえば、昨年は久しぶりに紅組が優勝しましたが、椎名林檎さん、松任谷由実さん、和田アキ子さんなどジャンルの壁を越えたみなさんが、紅組が勝った瞬間、一緒に喜んでいるのを画面で見られるのは、やはり制作者冥利につきる瞬間ですね。
【原田】 「歌で 会いたい。」というテーマに、出会いというキーワードが入っているのも気に入っています。普段は会えない人と出会えるというか。普段NHKをご覧になってない方にも会いたい、壁を作らず見てください、繋がってくださいという気持ちもあります。また、ご出演いただくアーティストのみなさんにも非常に気合を入れて参加していただいていると思います。たとえば、昨年は久しぶりに紅組が優勝しましたが、椎名林檎さん、松任谷由実さん、和田アキ子さんなどジャンルの壁を越えたみなさんが、紅組が勝った瞬間、一緒に喜んでいるのを画面で見られるのは、やはり制作者冥利につきる瞬間ですね。
――視聴者のニーズが多様化する昨今、『紅白』は家族団らんでテレビをみる大きなきっかけともいえます。その点で、やはり視聴率は気になるところ?
【原田】 1年の最後の数時間を一緒にテレビを見て過ごして欲しいという気持ちだけで、数字は目標にしていません。視聴率を取る戦略というのも、あると思うんです。でも、『紅白』はそういう番組ではない。ご出演いただいたアーティストのパフォーマンスが、最も魅力的に伝わるように私たちが演出し、番組コンセプトにきちんと沿った形で、皆さんに共感してもらえれば、それで成功だと思うので。その結果が、何パーセントだったかというのは、後からついてくると思います。
【原田】 1年の最後の数時間を一緒にテレビを見て過ごして欲しいという気持ちだけで、数字は目標にしていません。視聴率を取る戦略というのも、あると思うんです。でも、『紅白』はそういう番組ではない。ご出演いただいたアーティストのパフォーマンスが、最も魅力的に伝わるように私たちが演出し、番組コンセプトにきちんと沿った形で、皆さんに共感してもらえれば、それで成功だと思うので。その結果が、何パーセントだったかというのは、後からついてくると思います。
今年はLINEも始めたんですよ。一昨日(取材日=10月25日)開設して、昨日の時点でフォロワーが12万人を越えていまして、それだけ関心を持っていただいているのを感じると、情報の発信のしがいもあるなと思いますね。本番は一発勝負ですが、その前にどれだけ関心を持ってもらえるかが大切だと思います。いい番組を作っていればそれだけでいい、という時代ではなく、全方位的に声をあげてオススメしていかないといけないですね(笑)。