【丹治吉順】バーチャルアイドル初音ミクが歌うニコニコ動画発の人気曲「千本桜」のミュージカル化が決まり、10日に開かれた制作発表会で主要キャストが発表された。
主役の青音海斗(せいね・かいと)役はテレビドラマ「ホタルノヒカリ」などに出演した加藤和樹、初音未来(ミク)役はAKB48の石田晴香になった。
【動画】ミュージカル「千本桜」の初音ミク役にAKB48=竹谷俊之撮影
ニコニコ動画と初音ミクのファンで知られる石田はこれが初の舞台劇出演。「『千本桜』は大好きな曲で、カラオケで歌ったよとか、いろんなところでたくさん言ったのが実った気がする。めいっぱいがんばります」と意気込みを話した。海斗は同じボーカロイド・キャラクター「カイト」に当たり、ほかに鏡音リンやレンら「初音ミクファミリー」総出演となる。
「千本桜」の原曲動画は2011年9月に公開。すでに500万回近く再生され、カラオケ「ジョイサウンド」の昨年の年間ランキングでも3位になった人気曲だ。「大胆不敵にハイカラ革命」という歌い出しに始まり、「三千世界」「常世之闇(とこよのやみ)」「浮世の随(まにま)に」などの古めかしい言葉に、「ICBM」「光線銃」などの現代語をリズムよく交えた歌詞、高速のテンポで盛り上がるメロディーが注目された。動画には大正時代をイメージした風景や衣装が盛り込まれ、懐古性と未来性の入り交じるレトロフューチャーな雰囲気も人気を呼んだ。
曲の発表直後から、和楽器によるカバーなど、二次創作が次々と生まれ、作詞作曲の黒うさP自身による小説も3月に発売される。
黒うさPは「『千本桜』が愛され、さまざまな形でいろいろな分野に広がることがうれしい」とメッセージを寄せた。原曲動画のイラストを手がけた一斗(いっと)まるも同じくメッセージで「ピアノ版の『千本桜』デモを渡されたのが11年2月。最初はただ底抜けに明るいイラストを描こうと思っていたが、3月11日を境に少しでも日本を元気づけられる作品にしたいと思い、日本への愛国心をめいっぱい詰め込んだ今の動画『千本桜』になった」と舞台裏を明かした。一斗まるのデザインを基にした衣装が舞台でも披露される。
原曲動画や小説版の主役はミクだが、舞台の主役は海斗。「曲や小説とはまた別の世界を楽しんでもらえたら」と海斗役の加藤は語る。脚本の三井秀樹は「彼は信念を持って戦う青年将校だが、その信念の根幹を揺るがしてみたい。自分が正義と思っていたものが違ったら、という点を追求したい」と方針を示した。
演出の茅野イサムは「劇中、『千本桜』はさまざまなバージョンで演奏される。黒うさPによる書き下ろしの恋の歌も入る予定で、効果的な場面で使いたい。登場人物には必ずソロパートがあるのでぜひお楽しみに」と呼びかけた。
初音ミクをはじめとするボーカロイド(音声合成ソフト)とそのキャラクターは、ニコニコ動画を出発点に、ユーザーたちが次々と二次創作を繰り広げ、ライブやゲーム、小説など多方面で作品が展開している。
今回のミュージカルは、ニコニコ動画を運営するドワンゴの企画制作。2010年12月からこれまでにボーカロイド曲「ココロ」や「カンタレラ」などをミュージカル化、全85公演を行い、舞台に約2万1000人、ネット中継の有料視聴者約1万8600人を動員してきた。「千本桜」は第10作に当たり、今までのニコニコミュージカルの中でも特に反響が大きいという。
エグゼクティブプロデューサーの片岡義朗(67)は「ボーカロイドは間違いなく時代の先端を走っている。若い人たちはそのすごさをわかって盛り上がっているのに、音楽や演劇などのビジネス側はまだほとんど気づいていない。ニコニコミュージカルを通じて、ボーカロイド曲の可能性を舞台という場に広げていきたい」と話す。

【動画】ミュージカル「千本桜」の初音ミク役にAKB48=竹谷俊之撮影
ニコニコ動画と初音ミクのファンで知られる石田はこれが初の舞台劇出演。「『千本桜』は大好きな曲で、カラオケで歌ったよとか、いろんなところでたくさん言ったのが実った気がする。めいっぱいがんばります」と意気込みを話した。海斗は同じボーカロイド・キャラクター「カイト」に当たり、ほかに鏡音リンやレンら「初音ミクファミリー」総出演となる。
「千本桜」の原曲動画は2011年9月に公開。すでに500万回近く再生され、カラオケ「ジョイサウンド」の昨年の年間ランキングでも3位になった人気曲だ。「大胆不敵にハイカラ革命」という歌い出しに始まり、「三千世界」「常世之闇(とこよのやみ)」「浮世の随(まにま)に」などの古めかしい言葉に、「ICBM」「光線銃」などの現代語をリズムよく交えた歌詞、高速のテンポで盛り上がるメロディーが注目された。動画には大正時代をイメージした風景や衣装が盛り込まれ、懐古性と未来性の入り交じるレトロフューチャーな雰囲気も人気を呼んだ。
曲の発表直後から、和楽器によるカバーなど、二次創作が次々と生まれ、作詞作曲の黒うさP自身による小説も3月に発売される。
黒うさPは「『千本桜』が愛され、さまざまな形でいろいろな分野に広がることがうれしい」とメッセージを寄せた。原曲動画のイラストを手がけた一斗(いっと)まるも同じくメッセージで「ピアノ版の『千本桜』デモを渡されたのが11年2月。最初はただ底抜けに明るいイラストを描こうと思っていたが、3月11日を境に少しでも日本を元気づけられる作品にしたいと思い、日本への愛国心をめいっぱい詰め込んだ今の動画『千本桜』になった」と舞台裏を明かした。一斗まるのデザインを基にした衣装が舞台でも披露される。
原曲動画や小説版の主役はミクだが、舞台の主役は海斗。「曲や小説とはまた別の世界を楽しんでもらえたら」と海斗役の加藤は語る。脚本の三井秀樹は「彼は信念を持って戦う青年将校だが、その信念の根幹を揺るがしてみたい。自分が正義と思っていたものが違ったら、という点を追求したい」と方針を示した。
演出の茅野イサムは「劇中、『千本桜』はさまざまなバージョンで演奏される。黒うさPによる書き下ろしの恋の歌も入る予定で、効果的な場面で使いたい。登場人物には必ずソロパートがあるのでぜひお楽しみに」と呼びかけた。
初音ミクをはじめとするボーカロイド(音声合成ソフト)とそのキャラクターは、ニコニコ動画を出発点に、ユーザーたちが次々と二次創作を繰り広げ、ライブやゲーム、小説など多方面で作品が展開している。
今回のミュージカルは、ニコニコ動画を運営するドワンゴの企画制作。2010年12月からこれまでにボーカロイド曲「ココロ」や「カンタレラ」などをミュージカル化、全85公演を行い、舞台に約2万1000人、ネット中継の有料視聴者約1万8600人を動員してきた。「千本桜」は第10作に当たり、今までのニコニコミュージカルの中でも特に反響が大きいという。
エグゼクティブプロデューサーの片岡義朗(67)は「ボーカロイドは間違いなく時代の先端を走っている。若い人たちはそのすごさをわかって盛り上がっているのに、音楽や演劇などのビジネス側はまだほとんど気づいていない。ニコニコミュージカルを通じて、ボーカロイド曲の可能性を舞台という場に広げていきたい」と話す。