
●Webラジオの公開録音も行われた
ユーザーが選んだ本を少女が朗読してくれるアプリ『朗読少女』。その展開はアプリだけに留まらず、イメージCDの発売や、小説の連載、マンガ連載とさまざまな形でメディア展開を広げている注目のコンテンツだ。そんな『朗読少女』の書籍『CD付「朗読少女」とあらすじで読む日本史』、『CD付「朗読少女」とあらすじで読む世界史』の発売を記念したイベントが、2012年7月22日(日)、東京・千代田区の丸善丸の内本店にて開催された。
同イベントには、乙葉しおり役のささきのぞみに加え、丙絵ゆい役を務める徳井青空が初めて『朗読少女』のイベントに参加。現在、"響 -HiBiKi Radio Station-"にてささきと徳井のふたりでWebラジオ『朗読少女Radio~朗読倶楽部のお時間です~』を担当しており、「1週遅れで『朗読少女』アプリでも配信されています。有料になりますが素敵なおまけコーナーがついているので、ぜひ聴いてください!」(ささき)と同Webラジオについて語る。なお、今回のイベントでは、同ラジオの公開録音も行われた。
また、ささきと徳井のほかに、AKB48のチームA所属、仲谷明香がゲストとしてイベントに参加。仲谷は、『CD付「朗読少女」とあらすじで読む日本史・世界史』の帯を書いた縁でイベントに参加することになったとのこと。しかも、偶然にも徳井とはテレビアニメ『ちとせげっちゅ!!』で共演中とのことで、イベント開始早々から仲のよさを見せつけた。また、仲谷に『朗読少女』を知っていたかという質問が飛ぶと「もともとは知らなかったんですけれど、お話をいただいたあとにいろいろチェックして、"なんて画期的なものがあるんだろう!"と感動しました。自分の学生時代にあればよかったのに、と思ったので、その想いを帯に書きました(笑)」とコメント。また、『CD付「朗読少女」とあらすじで読む日本史・世界史』の収録について質問されたささきは、「"今度は歴史・世界史ものか!"とビックリしたんですけれど、これまでにも『朗読少女』でたくさんの作品を読ませていただいていたので、楽しみながら落ち着いてできました」と収録当時を振り返った。
イベントでは、『CD付「朗読少女」とあらすじで読む世界史』の朗読会も実施。ささきは乙葉しおりとして、徳井は丙絵ゆいとして、そしてさらに仲谷も参加して朗読を行う。「テキストの8ページを開いてー」(徳井)など、まるで講演のような体を成した朗読会では、会場に詰めかけたファンも購入した『CD付「朗読少女」とあらすじで読む世界史』を読みつつ、ささき、徳井、仲谷の声に集中。その内容を追い続ける。朗読会が終わると、なんと"突然、世界史おさらいクイズ"と称して、朗読会で読まれた内容に関するクイズを実施。「教科書はしまって!」(徳井)とカンニングを防止されると、さっそくクイズへ。"マケドニア王国の大王は?"といった質問にファンが答えていくことになるのだが、1問目であっさりと解答が出たことに徳井から「イベントなんだから、おもしろ解答して(笑)」とファンへ無茶ぶり。これに呼応するようにこのあとはファンも正しい解答ではなく、いかにおもしろい解答をするかに注力し、会場を盛り上げた。
続いては、『朗読少女Radio~朗読倶楽部のお時間です~』の公開録音へ。ゲストとして仲谷を迎えた公開録音では、仲谷がもともと声優になりたかったという話や、"いろんな感情で朗読をやってみよう"というコーナーでは、指令ボックスから取り出した指令に従って朗読をして盛り上がる。なお、会場となった丸善の名物であるハヤシライスを3人で分けて食べたという話題で大盛り上がりした3人。初対面だったささきと仲谷は、このことをきっかけに打ち解けたとのことだ。
イベントの最後には、乙葉しおりとしてささきが宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』を朗読。「すごく聴き取りやすいー! あ、ごめんなさい。ファンみたいな目線になっちゃいました(笑)」という仲谷の賛辞を受けながらイベントは終了。 現在"プロジェクト朗読少女"はpixivにて"朗読少女イラストコンテスト"が開催されているほか、あいだみつを美術館とのコラボレーション、2周年記念キャンペーンやメルマガなど、さまざまな企画が進行されているとのことなので、その動向から目が離せなくなりそうだ。
なお、イベント終了後に3人の囲み取材が行われたので、その模様もお届けしよう。
――本日のイベントの感想をお聞かせください。
徳井青空(以下、徳井) 今回初めて『朗読少女』のイベントに出させていただいたんですけれども、プロジェクトへの参加自体が最近のことなので、いきなりイベントで緊張しました。でも、ホントに皆さん温かくて楽しくイベントを進行できました。人前で朗読をするイベントの経験はほとんどなかったので、非常に貴重な体験をすることができました。公開録音も行ったので、配信中のラジオの楽しさも伝わったんじゃないかなと思います。ぜひ今日来ていただいた皆さんにラジオも聴いてもらえたらな、と思いました。
仲谷明香(以下、仲谷) 今回『朗読少女』の帯を書かせていただいた縁で、ゲストとしてイベントにも呼んでもらえて、すごくうれしく思っています。ぜひまた『朗読少女』のイベントでも、本でも、何でも、携わることができたらいいなと思っています。何かあった際は呼んでいただけたら(笑)。仲谷はあまり個人的なイベントをすることはないですが、もしもっとがんばって大きくなって、イベントをやる機会があった際にはおふたりにも来ていただけたらと思います。それまでがんばりますので、ぜひぜひよろしくお願いします。
ささきのぞみ(以下、ささき) 以前ひとりで『朗読少女』イベントをやらせていただいたことがあったんですけれども、今回は仲谷さんと徳井さんの3人でできたので、自分ひとりで朗読するのとはまた違って、ほかの方のを聞いて「あ、こういう風に読むんだ」とか、新しい発見がたくさんありました。収録のときと違ってお客さんの前で朗読するというのは、会場の雰囲気もすごく楽しめるんです。自分ひとりで作っていくだけではないものを感じられてすごく楽しかったです。それ以外にお話をするようなときでも、なかやんと青空ちゃんに助けてもらって(笑)、とても楽しい時間でした。
――朗読をしていて、おもしろいところと、たいへんなところはどんなところになりますか?
徳井 最近、丙絵ゆいちゃんに出会って、丙絵ゆいちゃんのことを知って、丙絵ゆいちゃんで読むということで、ふつうの朗読とはちょっと違って、キャラクターになったうえで朗読するというのは、すごくたいへんで難しいなとも思ったんですけれども、私が『朗読少女』アプリなどで感じたキャラクターが読んでくれるかわいらしさや楽しさが、自分にも表現できたらいいな、と思って。これからもたくさん丙絵ゆいちゃんでいろんな作品を読めたらいいなと思いました。
仲谷 朗読する本を読み込むことも大事だと思うんですけれど、声に出して初めて読んで気づくというか。こういう言葉の表現があるんだとか、いろいろ学ぶことが多かったです。読んでいて楽しいなと思いました。たいへんなことは、いっぱい時間が必要というか、私の場合やっぱりいっぱい噛んじゃったりして時間がかかるので、そこがたいへんかなと思います。それを短くできたらいいなと思っています。
ささき 出てくるキャラクターも場所も、場合によっては物音なんかもすべて自分で演じられるというのはすごく楽しいですけれど、やっぱりたいへんなところというか、やり甲斐のあるところです。それを全部自分でできるというのは、いつもワクワクします。どういう作品を読んでいても、それはすごく感じることです。声優のお仕事全般に言えることなんですけれど、"伝えること"というのがすごく大切だなと思うんですが、朗読はまた違った、朗読ならではの伝えかたというのがあって、読んでいる自分もですけれど、聞いてくださる方、そして何よりも原作を書かれている方のこととか、その方の生まれた時代や環境とか、それらも含めて、空気感などを感じていただけるのが朗読の魅力だと思うので、そこが楽しいですし、大変だと感じます。
――今後朗読してみたものがあれば教えてください。
徳井 今回、世界史を3人でリレー形式で読んだので、また3人ならではというか、掛け合いがあったりするような朗読とかやれたらイベントならではで楽しいかなと思うので、そういうのをやってみたいです。
仲谷 ジャンルはミステリー小説というか、どう表現したらいいんだろうという、さっきのイベントでも"怪談みたいに"というお題で読んだりしたんですけれど、そういう風に言うと聞いている方に伝わりにくいというのもあるだろうし、どうやって読んだらいいんだろうと考えてしまうような難しいものを、また時間がかかると思うんですけれど読んでみたいですね。
ささき 私は『朗読少女』で100作品以上読ませていただいていて、ラノベから詩から『源氏物語』、『羅生門』、近代文学から今回の世界史・日本史もですし、日本国憲法に至るまで(笑)、かなり幅広く読ませていただいているんですが、エッセイとか、そういったものも読んでみたいです。その方の語り口調というか、著者の方がそこにいるみたいな感じで、身近な感じで読めたらいいなと。あとはもっとたくさんお子さんに聞いていただけるような作品を読めたらと思います。寝る前にとか、学校で、幼稚園でとか。先生がしおりちゃんを起動してみんなが聞くっていう(笑)、ちょっと近未来的な光景が授業とかであったらすごく楽しいな、と思うのでそうなったらいいなと(笑)。
――この夏オススメの1冊を教えてください。
仲谷 私はずっと推しているというか好きな本は、昔すごく本を読むのにハマッていて、最近はぜんぜん読めなくなっちゃったんですけれど、電撃文庫さんの『半分の月がのぼる空』という橋本紡さんが書いた本がありまして、それがすごく読みやすくて、読んでいて楽しいなとか、切ないなとか、いろんな感情が素直に出せるというか、読んでいてすっきりする本です。
ささき 私のオススメは、朗読向けかどうかはちょっとわかりませんが……(笑)、石井ゆかりさんという方の『星をさがす』という本です。私は天体観測が好きで、あまり詳しくはないのですが流星群とか月を見に行くことがあるんですけれど、写真と星座などのお話が、おもしろくて初めての方にもオススメです。夏ってあったかいから、ちょっと寒いところに行くと星空をすごく見られるので、その本は夏のオススメという感じです。そういうキレイな映像とか写真とともに朗読できたらすごくいいなって、そんなアプリがあったらいいなって(笑)。偉い人を捜しながら(笑)。そんな感じですかね。
徳井 オススメの1冊……! えー!(困惑) これっていうのはないんですけれど、都市伝説とかUMAだったりとかオカルトっぽい本を私はよく読むので、この夏もそういう本を、私は「これだ!」という1冊をまだ見つけていないので、私といっしょに探してみましょう!
――1冊分の収録にどれぐらいの時間かかるんですか?
ささき 作品ごとのページ数に左右されるところではあるんですけれど、『源氏物語』なんかは昔ならではの言い回しと、その時代背景だったり、あとは初めのころに収録をしたのでわりと何時間かかかったんですが、短いもので最近だと『不思議の国のアリス』を読んだんですけれど、私自身もすごく好きで、世界観も理解していたので、わりととんとんと。ものによっては30分で終わる作品もあれば、週をまたいで3~4時間、トータル10時間を越えるようなものもあります。
――とくに難しかった作品とか、苦戦した作品はありますか?
ささき 苦戦したのはやっぱり『源氏物語』ですかね。初期のころに読んだので、スタッフさんたちもいっしょに場の感じを作っていくところから初めていたので、そういう意味でも私の朗読も体力とか気力、どこで休憩を入れるかもみんなで探り探りやっていたので。昔の文献で近代文学でもそうなんですけれども、何通りも読みかたがあったりして、どれが主流なのかをネットで調べても諸説あったりして(笑)。そういう中でどれがイチバンいいか悩んだりして苦労したりはしました。あとは苦労ではないんですけれど、詩は本当に深いなと感じました。いろいろな詩を読ませていただいているんですけれど、物語以上に短い言葉の中にものすごくたくさんの情報が入っているので、それをどう読むか。やれることが多すぎるのでどういう選択をすればいいのかということで、やり甲斐と難しさを感じています。
――今回の日本史・世界史を聞いてもらいたいAKB48のメンバーっていらっしゃいますか?
仲谷 いっぱいいますけど(笑)。できることなら全員に聴いてもらって振り返ってもらいたいですよね。よくAKB48の番組などで中間テストみたいなものがあったりするので、私もすごく苦手なので、そういうときに活用できるように全員に読んでもらって、とくに点数が低かったのがSKE48の矢神久美ちゃんとか、意外とAKB48の高城亜樹ちゃんとかがたしか点数が低かった気がするので、そのふたりには聴いて、読んでほしいかなって思います。私もいっしょに、そのふたりと勉強したいなって(笑)。